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2010年3月9日
「長谷川等伯展」

今開催されている東京国立博物館「長谷川等伯特別展」に行ってきました。今年は長谷川等伯(1539〜1610)の没後400年にあたります。長谷川信春の名で能登の絵仏師から始まり、水墨画の最高峰と称される絵まで彼の絵画人生を網羅した史上最大の大回顧展でした。
筆ひとつ持ち妻子と30代で上洛し、秀吉、千利休や時の権力者に重用され一躍時代の寵児となるまで、そしてその後。絵画師としての才能はもちろんですが、そこに同じようにある野心も感じ、人としての大きさ、強さ、欲深さ、業績の大きさが渾然一体となった、本当に価値ある展覧会でした。
心に残ったのは秀吉に請われて書いた金碧障壁画(きんぺきしょうへきが)「楓図(かえでず)」(写真左)絵の具はおち色褪せてはいましたが、当時の秀吉の権力がそのままあでやかに描かれているような力強さで圧巻でした。
そして会場では最後に展示されていた「松林図屏風(しょうりんずびょうぶ)」(写真右)かなりの人だかりでやや後方で全体を見ましたが、目の前の人垣がすっと気にならなくなるほど、絵の世界に引き込まれました。まるでそこに霧の中に浮かぶ松林があるかのような錯覚におちいり、涙がこぼれました。「描かないであらわす」という絵師として最高の表現がそこにありました。あそこに描かれていたのは気配そのものです。ふとそこに引き込まれるのはあの絵が自然そのものだったのでしょう。これは会場を出てはまた見に行くのを3度繰り返し、まぶたに焼き付けてきました。二つの絵はいずれも国宝です。
昔の人はすごいなぁとぼんような感想ですが、あの時代(安土桃山)の人に一人すごい知り合いが出来たような気分です。

もしお出かけになるのでしたら、少し人が少なくなる閉館間際がお薦めです。

長谷川等伯展 東京 〜3月22日まで
http://www.tohaku400th.jp/

長谷川等伯展 京都 4月10日〜5月9日
http://tohaku.exh.jp/

2010年3月3日
「春」

こう春めいてくると
すべてを愛したいという衝動にかられます

私は慈悲深くもありませんし、
どちらかというと自分のことばかり考えて
死ぬまで(死んでも)愛されてなんぼじゃいと考えている人間です

神のお告げも受け取っていません
でも神様が今、アノ人を救いなさいと私に命令したならば
私はきっとすぐに行動にうつすでしょう
でもすべてを愛せるわけがありません
別の魂ですし何ができるかもわかりません

でも愛したいという衝動があるのです
これは不思議です
労わりたいという気持ちが湧いてくるのです
人との境界がなくなってしまうのです
結界が甘くとろりと溶けそうな気分です



こう春めいてくると
なんだか泣きたくなるのです
どろどろとした腹の一物が
こんなにたまっていたのかと気づきます
そしてひと泣きすると、私を覆っていた薄い薄いベールが一枚はがれます
すべてを任せて、お勉強させて下さいっていう気になるのです
素直にごめんなさいとありがとうが言えそうです
これは不思議です
神妙で新しい自分を感じます
初めてもしくはやっと目覚めたような気分です
冬眠していたのかもしれません

春は不思議です
温度が私を変えるのです

2010年2月23日
「色彩の詩人 脇田和展」

日差しが春っぽぉ〜い。少しのどがむずむずするぅ。

バンクーバーは後半。女子フィギュアが楽しみです。それにしても冬季オリンピックは下が白いのでレフ効果ばっちりで、女性はみなさんきれいに見えます。カーリングなんか特に。氷に顔が近くて。(元も美人です。)

さて、バンクーバーの熱気とはかけ離れて、昨日一人静かに川越で開かれている「脇田 和」展に行ってきました。脇田さんは2005年97歳で永眠されるまで絵を描き続け、ずっと洋画界で注目され続けた方です。10代でドイツに渡り、戦前、戦中、戦後と溢れる才能のままにたくさんの絵画を残しています。(空襲により多くの作品を失ってもいます。)

脇田さんの絵はもう、ねぇ、いいんですよ。会場でポストカードを売っていましたが、やっぱりナマ絵っていいですね。今でも思い出すと、彼の絵の世界にふっと浸り、どこかからだが弛み、永遠に続くほわんとしたカイロが心の中に埋め込まれたかのように感じます。
どう、良いか。パンフレットから拝借して。

『のびやかに広がる心の詩があり、自然や人生への透徹した視線が感じられる脇田和の絵画宇宙は、しばしば澄んだ音色を響かせる室内楽にたとえられます。』

『贅沢で、上等で、純粋で、通俗的なところはみじんもなく、それでいて私の心が揺さぶられる身近い生理的なものから立ちのぼってくる音楽が聞こえてくる。』(井上靖)

私が表現するとしたら、そうだな。
難しいことはひとつも言っていないのに、すごく染み渡る言葉のような、心の中のさなぎが蝶になっちゃうきっかけを与えてくれる絵というか。全体に響いている、温かさはそれはそれはもう音楽以上のものがあります。私は常々音楽は見えないしすぐ消えるし世界を限定しないから絵の人は大変ねと思っていました。が、脇田さんの絵は目の前にありながら、世界を限定せず、目に見えない香りや音楽を提供してくれます。2回この展覧会は行きましたが、2回とも全く違って見えました。鳥のモチーフが多いのにも2回目に気づきました。

ああ、いいなぁ。絵ってすごいんだなぁと初めて思いました。

あんな、あんな、脇田さんみたいな、音楽って作れないのかなぁって、しょんぼり思ってます。あの絵の温かさは自分に対する目線なんじゃないかなぁとぼんやり思ってはいるんですけど・・・

雪が解けて、4月になったら軽井沢にある脇田美術館に行ってみようと思います。

川越市立美術館 脇田和展 〜3月14日までhttp://www.city.kawagoe.saitama.jp/www/contents/1262678648418/index.html

軽井沢脇田美術館
http://www.wakita-museum.com/

2010年2月13日
「腐葉土作り」

世の中はヴァレンタインでそわそわしていると思いますが・・・

またまた、匂いネタです。

今年は腐葉土作りに挑戦しました。12月末に近くの公園から軽トラック一杯に枯葉を運んで、ぬかと大量の水で作りました。出来上がるのは3ヶ月後。先日、切り返し(撹拌)っていうのをしました。すると、何とも言えない森の匂いがします。でもチーズのようでもあり、うまく行っているみたいです。赤、緑、グレー、白と色とりどりの菌が繁殖していました。そして温度は発酵熱で40℃近くあると思います。寒い日でしたが、腐葉土の上にいるとほっかほかでした。
作業を終えると、着けていた手袋が軍手だったので、特に人指し先に匂いがついてしまい、まる一日お茶を飲むたび森とチーズの匂いがしていました。

2010年2月4日
「幻のコーヒー コピルアック」

昨日の節分の日でうちの父は80歳になりました。80って。
自分の年もピンとこないけど、自分の父の年齢もピンと来ません。
自分だけは遠藤家だけは年取ってないんじゃないかしら。

また匂いネタです。

写真の小さな袋に入っているのは幻のコーヒーと言われている、コピルアックというコーヒーです。ご存知ですか?知人から頂きました。大変希少価値のあるものだそうで、1杯¥5500というお店もあるのだそうです。ひぇ〜ですね。何故希少かというとジャコウネコが赤く熟したコーヒーの実を食べて、その糞から未消化のマメを取り、洗って、焙煎したコーヒーだからだそうです。これもまたひぇ〜×100です。ジャコウネコの内分泌物がマメにカオリをつけるらしいのですが・・・

で、飲んでみました。

ん?これが? 
ネコに小判、豚に真珠、ぬかに釘(?)、宝のなんとやら、などなど、「オラにはわがんねぇ〜」
と、このコーヒータイムのために焼いたバタークッキーを一口。
「こっちの方がおいしいわ」と、つぶやく。

時間にして5分ほど経過。
すると驚き。
冷めた方が美味しくなったのです。コーヒーが!!
しかも香りがする!ジャコウっぽい香り。香水に使われるムスクっぽい香りがする。(動物性な)

ひぇ〜〜

その後もどんどん香りが強くなって味も変って、まるでワインのようです。
部屋中、コーヒー+動物性の香りが・・・
すごいですね〜。
コーヒーマニアがいたらものすごいうんちくを語るんだろうなって感じありありです。

飲んだ結果、最も香りと味の頂点は人肌の温度の時でした。
ぬる燗って感じかしら。
試しに手首の内側に塗ると、ほよ〜んと香水みたいに香りました。
おもしろかったぁ。
ま、もう飲むことはないと思うので、いい経験させてもらいました。
希少価値があるということで、気を使って飲んだので、美味しいとか美味しくないの範疇は超えてしまってました。私にはオーバークオリティーな代物でありました。
素直にありがとうです。ご馳走様でした。

2010年1月27日
「柔軟剤」

いろいろな柔軟剤がこの頃流行ってますね。
私のお気に入りはスナッグルのブルースパークル。いつも泊まらせてもらうお友達の家のタオルがそれはそれはいい匂いでまるで外国のホテルにいるみたいな気分になるので教えてもらいました。
柔軟剤は香りの強い洗剤とだと負けてしまってだめなので(例えばアタックジェルとかだとそっちの匂いの方が強い)なるべく香りを売りにしてない洗剤を使うとばっちりです。
先日はやたら朝早く目が覚めて、低い気温の台所に行ったら、柔軟剤の匂いがして、ふと、−18℃という厳冬(年末からお正月にかけて)のヴィシー(フランス)でホームステイしたことを思い出しました。まだ陽も昇らず外は真っ暗で、気は張ってるんだけど、少し物悲しい感情も思い出して、感傷に浸っちゃいました。
匂いの記憶ってホントすごいですよね。ぱぁ〜っとその日、その時の気持ちになります。

2010年1月20日
「アンテナ」

アンテナ張ってる?張らなきゃだめよって、言われます。正直今日本のポップス音楽に関してはテレビでザッピングの途中に見る程度。もしくはネットサーフの途中とか。創作活動の上で何かにインスパイヤされるというのはとても大事なことです。でも私の場合、いわゆる日本のポップス音楽からは何も感じないし、へそまがりで聞こうとしないのかもしれません。それより心動かされるものは、ジャンルの違うものの方が私には夢を持てていいです。なまじ業界長いのでヒット曲を見ても、ああ、日本テレビ出版だから日本テレビですごい露出だなとかそういう目で見てしまう。これは悲しいと言えば悲しいことですね。魔法にかけてもらえないんだから。だから世界の違う人の方がおおおっと夢を見れます。最近夢見ちゃってどきどきしたのはダニール・シムキンという若干20歳の男性バレエダンサー。見たと言ってもYou tubeで。つい先日知ったばかりなので去年来日していたそうですが、見逃しています。滑らかな動き、羽が生えたように伸び伸びとするさまは、何の野心もなく、ただ才能に溢れています。今、ハイ、ここで、ハイ、才能で〜す、あふれてま〜っす。ってすーっとしていて純粋な踊りが新しい時代を感じさせます。ここ急に話題になっているケント・モリの踊りもインスピレーションに溢れていてものすごく心が動きました。いつまでも見ていたい感じでしたが、情報は少ないようですね。Lady gagaもずいぶん前から大人気で大ヒットしているようですが、つい最近知りました。彼女もすごくエモーショナルで何のためらいもないパフォーマンスはかっこいいですね。出どころがコンプレックスなどではなくただ溢れる才能が原動力のような純粋さを感じます。うっらやっますぃ〜〜。

えっと、お題はアンテナでした。

何を言いたいかというと。
つまり。
自分ではアンテナ広げようなどとあまり考えていないということです。情報を求めてうろうろ歩き回ることはまずありません。都会に出てどうとか。人とたくさん会ってどうとか。異業種交流会にどうぞなんて言われると震え上がってしまうたちなので(お酒飲めないし、たくさん食べれないし、静かじゃないと疲れるし)、元々そういうところへは行きません。10年に1回ぐらいこれでは行けないような気がして出席したりしますが、へとへとに消耗するだけで、何の広がりもありません。

さぁ、おちです。

100匹目の猿という話をご存知ですか?
ある島で99匹がさつまいもを海水につけると美味しくなることを知り、次々とサル達がまねをしました。そして100匹目のさるもまねをしました。しかしその100匹目のサルは遠く離れた別の島にいたサルだったのです。二つの島にサルが情報を交わす手立てはありません。でもサルはまねたのです。
と、こういうお話ですが、私はこれをものすごく信じていて、必要な情報というのはどこからともなく必ず届くと思っているのです。以心伝心のように。(猿のお話しは創作だという節もありますが。)

つまり、アンテナをわざわざ立てなくても、自分が元々アンテナじゃんと思っています。
内臓してるってことです。しかもこっそりヴァージョンアップ(只今Ver,5.0)してる「つもり」です。ふふっ。

2010年1月15日
「川喜田半泥子(かわきたはんでいし)1878〜1963」

三重の素封家の家に生まれ百五銀行の頭取を経て、50歳から作陶に没頭した川喜田半泥子。今回はこれまでに最大という回顧展に行って来ました。場所は銀座松屋。彼は専門の陶工ではなくいずれも作品は売るために作ったものではありません。なので個人蔵のものも多くありました。会場は奥様で溢れかえっていましたが、じりじりと列に並び、じっくりと見て来ました。
 茶碗が多くありましたが、感想はひとつひとつ自由で洗練され抜いた自然さがあり生命力がありました。特有の集中力とユーモア、遊びも感じました。もしもご本人にお目にかかって作品を素晴らしいと讃えたなら「君にも出来るよ。(にやり&ウィンク)」と返って来そうな人柄を感じました。作品の存在感、生命力は例えればすべてに小さな小人が住んで毎日掃除をしているようでした。見ていたお客様は思わず「ふふっ」と肩をすくめ脱帽しているような様子や、若い女性が「すごいな〜」とつぶやいていたのが印象的でした。
 
小1時間しばし眺めただけでも、生命力が骨身にしみました。
楽しかったです。
出展されているのは茶碗、水差し、ぐい飲み、香合、書、洋画、写真など多才です。

川喜田半泥子展は銀座松屋にて18日(月)までやっています。
ご興味おありの方は是非お出かけ下さい。
お薦めします。
http://www.matsuya.com/ginza/topics/100118e_kawakita/index.html

2010年1月8日
「抱負」

今年の抱負はまず、良い曲を書くこと。これ、大事。多くの人に喜んで頂ける曲が書きたいです。メロディーも言葉も頭でなく腹が決めることなので、自分に任せます。
そして次に毎日を好きと感じるもので満たすことです。私の好きなものは一番が自分を信じる心。そして素直な心。サンダルウッドのアロマ。太陽。歌。土。花。午前中。まだまだたくさんあります。でも時がうつろうように昨日好きだったチョコレートが今日も好きとは限らないということもあります。そこも正直に見て行くのが楽しいですね。季節も人も心も変ります。いつも今、好きなものを感じていられたらどんなにいいでしょう。今年の目標です。

追伸ですが、今日から我が家は光になりました!すご〜いっ!
やっとBBの仲間入りです。もうこれからはローディング中の“くるくる”を何分も見なくてすむんだわ。
You tubeもつっかえつっかえでなく見れます!

2010年1月1日
「謹賀新年!」

あけましておめでとうございます。
みなさま、旧年中は温かい応援をありがとうございました。
心より感謝申し上げます。
そして、本年もどうぞどうぞよろしくお願い申し上げます。

「おめでとう」という言葉が好きで、この頃はおめでたいことがなくても言います。
久しぶりに会った友と何かわからないけど「おめでと〜」
わ、こんなにたくさんと誰かが言ったら「おめでと〜」
良い言葉だと思います。
おめでたいこともないのに言うので、居合わせた人は「ん?」って感じで、ノーリアクション。
軽く受け流されます。でも、私が言いたいのだからそれでいいんです。
「お・め・で・と・〜」の口の形が私に合ってるのかしら。

今日は、ちゃんと意味がある、おめでと〜です。
これから1週間。言い倒すのであります。
おめでとう!おめでとう、おめでと〜!!

今朝起きて窓を開けたら、空気が冷たく澄んでいて、2階からばばんと南西に富士山がすごくよく見えました。
白い頂きまでくっきりと。まるで自分の庭にあるかのように。
おもわずパジャマのまま拍手を打ち、拝みました!

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